待機児童問題は、常にニュースに取り上げられるようになってしまいましたね。
都内の問題が多く取り上げられる中、都心で働く人々のベットタウンである埼玉県でも深刻な問題が発生しています。
今回のママさんがお住まいの所沢市では、昨年訴訟問題にまで発展した事例もあります。
2ヶ月の待機を経て保育園へ入園できた息子をもつ、ママさんの視点から待機児童問題をみていきたいと思います。
保育園申込者数が10万人を突破!!
埼玉県の待機児童数は平成22年度から、平成25年度にかけて毎年100人~200人程度ではありますが、減少してきました。
しかし平成26年度から増加傾向にあり、平成27年度には192人増加し、全待機児童数が1097人となってしまったのです。
この増加には厚生労働省が発信した「待機児童の定義」変更も影響していますが、定義は何であれ保育を必要としている家庭が困っていることは事実です。
埼玉県は県全体で受け入れ枠を6,000人分拡大しますが、平成27年度の保育園申込者数が前年比プラス9,903人の106,355人のため、まったく足りていません。
住宅建設の進む市町村の増加が関係する?
埼玉県の中でも、川口市やさいたま市は以前から都内に近く、場所によっては都内まで30分の通勤圏内にあります。
そのため、新婚夫婦などから人気が高く、常に人口数や待機児童数も上位に位置していました。
しかし、近年では朝霞市、志木市、和光市などの東武東上線沿線も開発が進み、若者が住みやすい街になりつつあります。
また、ママさんの住む所沢市に限っては東日本大震災以降、地盤が強いことが話題になり、タワーマンションや建売住宅の建設が加速しています。─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ
公園で出会ったママたちの半数は結婚をして、家を買い都内から引っ越してきた方でした。
そして土地の価格はもちろんですが、やはり「都内よりは保育園に入りやすいと思って・・・」と口を揃えて言っています。(╭☞•́⍛•̀)╭☞
所沢市の育休退園問題は解決策になるのか?
訴訟にまで発展し、各メディアでも取り上げられていたため、ご存知の方も多い話題だと思います。
所沢市では2015年4月から「第2子の育児休業中は、保育園に通う第1子も自宅で保育すべき」として、第2子育児休業中で0歳~2歳の第11子が保育園に通う家庭を対象に第1子の退園を求めました。聞いて ◝(๑⁺д⁺๑)◞՞ ないよ〜
これは子ども子育て支援新制度の導入がきっかけとなって施行された施策で、所沢市としては育児休業終了後、退園した児童は優先的に入園できるよう対応すると言っています。
しかし、実際は退園した児童と第2子に100点加点をするという対応のみです。
4月入園であれば点数が増えることである程度優先される可能性はありますが、途中入園の場合、どれだけ加点が増えても空きがなければ復園はできません!(ू˃̣̣̣̣̣̣︿˂̣̣̣̣̣̣ ू)
また、同じ園に復園できる保証はまったくないのです。
今回、所沢市が話題にのぼりましたが、実は埼玉県内でこの施策を実施している市町村は11もあります。
今回の問題を受け、所沢市では新たに「育児休業復帰後特別預かり事業」を開始するなどの措置を取っていますが、ママたちの不安が消えることはないのではないでしょうか。
行政だけでなく企業努力も必要!
現在、保育園が足りない、保育士が足りないという声が大半かと思います。
私も、もちろん同じ思いを持っています。
しかし、各企業は努力しているのでしょうか。
世界的にも女性の社会進出が重視されている今、法律を元に育児休業が1年に限られている企業が多すぎると思います。
もちろん、育児休業給付金の問題もあります。
保育園だけに頼って解決できるのはまだまだ先のことなのではないでしょうか。
育休延長、託児所完備を当たり前に
この度、お話を聞いたママさんは息子を2月に出産しました。
待機児童問題は知っていましたが、保育園に対して何の調査もせずに出産したのです。
産後、役所に保育園について聞きに行った際、恐ろしいことを言われたそうです。
「働くママはだいたい10月までに出産するんですよ~。2月じゃ正直厳しいですね・・・」
決して悪意のある言葉ではなかったのだと思います。
それでも言われたママは、計画出産が当たり前の時代なのか・・・と茫然としたそうです。
即、会社へ連絡し状況を話したそうです。
その2ヶ月後のことです。
「社則変更したよ!育休期間2年に延ばしたから安心して育児してね。」
と人事部から連絡があったようです!
ママさんの勤める会社は従業員200人ほどの中小企業です。
この規模だからほんの数か月でできたことかもしれません。
それでも、どれだけ救われたことか。
また、復帰のメドが立ち打ち合わせに行った際、執行役員から驚きの報告があったそうです。
昨年の夏から、会社に託児所を作るためのチームを立ち上げたとのことです。
資金面やさまざまな基準があり、すぐに動けることではありません。
それでも女性が活躍できる会社にするために、少しずつ動いていくとのことでした。
ママさんは、恵まれていたと思います。
このように育児に協力的な企業が増えることで、現在の待機児童問題の解決に一役買えるのではないでしょうか?
保育士の子どもを優先的に保育園へ
息子を保育園へ入れるにあたり、7園の保育園に見学へ行ったそうです。
そのうち3園では、待機児童を抱えている子持ちのパート保育士の方がいました。
本当はフルタイムの通常条件で働きたいけど、子どもが保育園に入れないので、パートで復帰したとのことでした。
これだけ保育士が不足していると騒がれている中、フルタイムで働ける保育士のお子さんが保育園に入れないだけで正規職員になれないのです。
パート保育士は基本的に担任を持てませんし、フリー扱いの保育士です。
そのパート保育士の子ども1人(とは限りませんが)が保育園に入園できたなら、他に何人の子どもが保育園に入れることか、と思います。
社会全体が変わる時
保育園不足、保育士不足はすでに行政だけの問題ではないのではないでしょうか。
女性の力を必要とする企業は年々増加しています。
その中で本当に女性を活かすのであれば、その先に結婚、出産、育児があって当たり前のことなのです。
それを理解した企業と、引き続き対応策を打ち出す行政、そして家庭や地域などの社会すべてでこの問題を解決すべく動いてほしいと願っています。
また、埼玉県に若者が住み、子育てをするということは、県の発展に繋がり大変喜ばしいことだと思います。
その喜ばしいことがこの先続くよう、私自身地域社会の一員として子育てに貢献できるようにしていきたいと思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございます^^
今日も笑顔が一つ増えますように^^